とびまるの「なわとびのこと」

なわとびのことを書いたり描いたりするブログ。

223 最後のわら

今回は「不連続のこと」。

不連続。続かないということです。

自分がうまく跳べないのには、「続かない」ところに原因があるように思えました。

個人的な問題なのかもしれませんが、今回はそんなことを書いてみます。


1つは体のクセの問題。

以前、142 体幹コンプレックスで書いたんですが、僕は体が右に傾いています。ついでに、体が右に開くクセがあって、上半身をねじるときは、右に開いたほうがラクです。逆に左は体がつっぱって苦しいです。

なわとびにもいろいろ影響があって、交差だけでも、右手が上だと(右肩のあたりを左に寄せるので)苦しいです。うそみたいな話ですが、僕は右手を上にして交差とびをするとき、よほど意識しないと真正面を向いて跳べません。

そんなわけで、不自然ながら右に傾く・右に開くのが自分のバランスなので、まっすぐ跳ぼうとすると、どこかがゆがむんですね。かといって、右に傾いたままだと縄の軌道も傾きます。どのみちひっかかりやすいので、「続かない」という……。

最近、リリースもこれでだめなのかなと思いました。

僕は右利きですが、右手のリリースは苦手です。キャッチも変な角度でしかできません。普通、縦にグリップが戻ってくるようですが、僕はどうしても横になります。キャッチしづらいです。上手な人に見てもらったことがありますが、角度がおかしいのはわかるものの、何が原因なのかはわかりませんでした。

ただ、右手のリリース(特に右回転)は体を左に向けぎみになるので、体や腕につっぱる部分があります。左回転だと右に体を開くのでラク……というわけで、やっぱりこれも体のクセの影響があるのかなあ、と。そりゃあ、上手な人が見ても、本人の体がつっぱって苦しいかどうかまではわかりませんよね……。

そんなわけで、右手のリリースは今ひとつ制御ができません。やっぱり手首も縄も「続かない」のです。力が強まったり弱まったりで、一定の力で回せない感じ。最近、なるべくラクな体勢でリリースするようにしたら、ようやく角度が良くなってきましたが、ぎこちないのは変わりません。

体の問題なのか。でも、動作は突き詰めれば脳からの信号の結果です。


そんなわけでもう1つ、判断力の問題もありそうです。

演技だと、これが大きいですね。

新しい演技を跳びはじめて、1か月たちました。また作ってしまいました(笑)。ほぼできあがっているものの、これくらいの時期は、まだ構成が覚えきれてなくて、次の技に入れずに動きが止まることがあります。「続かない」状態です。

ただ、慣れてきても、この「続かない」がコンマ何秒の世界で起こることがあって、一瞬の戸惑いで遅れが生じて技が続かなくなります。

本格的なフリースタイルみたいに75秒で50個つめこむくらいに次々と技を繰り出しているわけではないものの、それでも、「技をつなげる判断力」みたいなものがそもそも鈍いのです。

リリースもそうです。

リリースは、言ってみれば空中で何度も円を作っているようなもので、連続する円はつながってますし、1つの円も軌道がつながってできあがっています。このつながりを制御しているのは、瞬間瞬間の判断力。リリースができても安定しないというのは、判断力が弱いということになります。

このへんの力は、5年近く跳んでもなんとかなった気はしません……。


体のクセ。判断力。どれも、「続かない」につながる致命的な弱点です。

弱いかもしれないと思いながら跳んできましたが、やっぱり弱いんだ、だめなんだ、というのが最近の結論です。目をそらしてきたことに、あきらめて目を向けた――そんな感じです。

重い荷物を運ぶラクダの背中を折ってしまう最後の1本のわら。

元は外国のことわざだそうですが、人の心を折るとか、とどめを加えるとか、そういうシーンでたまにこういう表現を見ます。

自分にとって致命的に思えることでも、なわとびそのものは続けています。これだけは「続かない」になっていません。今回の話が、自分のとっての最後のわらにならないのは、どこかにまだ気持ちを支える部分があるからでしょう。

現実に甘いだけかもしれませんが、その甘さがまだ自分に縄を握らせてくれるなら、素直に甘えていたいです(笑)。

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「縄をなう」で出てきた画像。そんなわらも、縄にしてしまえます。わらをなってできた縄は、どんな跳びごこちでしょうね。