今回は「回しかたのこと」。
4重とびをわりと跳べるようになりました。
やっぱり、このときの体験がきっかけだった気がします。
縄といっしょになれた、と思えたあの1回を跳ぶ前、僕は技術的なことはほとんど考えていませんでした。あるがままに張った縄の感触そのままに、力いっぱい回しただけ。それがうまく決まったのです。
それでも、跳べたからには「技術はあった」はず。そこを言葉にしつつ、魔法の杖なんかも取りだしながら今回は書いてみたいと思います。
最初は、わりと軽く握りながら回しました。
予備跳躍で2重とびをしてるあたりですね。グリップが手からすっぽ抜けていかない程度に押さえて、縄にまかせるように回すと、縄は自然に張ります。ピンと張るとまではいかなくても、すこし重みをもってふくらむような張りぐあい。
4重とびに入るところでいったん上に大きめに振って、握りを強めます。そこで跳びあがりながら、体よりすこし前で、グリップの先を一気に回しつづけてフィニッシュ。
あのときも、今も、だいたいこんな感じで回しています。
1つ1つはブログに書いてきた技術でした。あのとき、みらいとモフルンの姿を思い浮かべながら回したのを、「まるで手を取りあうように回せた感覚」と書いたんですが、そんな一体感が、1つ1つの技術がきれいにまとまったのと同じだったんでしょうね。
『魔法つかいプリキュア!』でこんなせりふがありました。
「いいですか?
魔法の杖をしっかり持って、
大きさや形を具体的にイメージして、
魔法の言葉を唱える」―― 第6話「特訓!魔法の杖!先生はリコのお姉ちゃん!?」より
見はじめたころ、思わず書きとめました。ステッキの向こうに魔法があるなら、グリップの向こうに縄もある。すごく似てると思ったのです。4重とびを考えると、グリップを「しっかり持って」、グリップの先が自由に回るくらいには力をゆるめるのが、縄も大きく回せるコツになると思います。あらかじめその動きを「具体的にイメージして」、跳んで回す。この流れです。
でも、見た当時、このせりふは理想でしかありませんでした。なわとびの場合、実現させる技術がなければ、イメージすらできないからです。
今このあたりの話を見返すと、魔法界側の主人公であるリコが魔法をうまく使えない姿に、自分のうまく跳べない姿が重なります。そうだ、前半は、リコが自分の中に自信を育てていくストーリーでもあったな、って。
僕の場合、自信が生まれたわけではなかったんですが、みらいとモフルンのように、縄とつながれたらいいなと、物語に片足を踏みこんだような気持ちで回したらうまくいきました。その自然な感覚が、初めて自信になったのです。
―― わたしはリコじゃなきゃやだ!
上の話で、自信を失いかけたリコに、みらいが感情そのままにぶつけたような言葉の1つ1つが、リコの自信を支えていったのでしょう。(このときの声、自然に上ずって震えていて、声優さん(高橋李依さん)の入れこみかたってさすがだなって思いました)
みらいがかけた一番の魔法は、リコを魔法つかいにしてあげることだったのかもしれませんね……。
そんな『まほプリ』が、なわとびに新しい道を与えてくれるきっかけにもなったのをうれしく思ってます。
574 魔法つかいのいた場所 の女の子をゲストに迎えて。
「星に …… 手が届いちゃった!?」
―― 第12話「満天の星空とみらいの思い出」より
魔法や技術の先に、心おどる瞬間があったらいいなあ、と思います。