■ サイドでなくてもきれいに通るスイングを
今回は「サイドスイングのこと」。
エイプリルフールの縄話です。
サイドスイングとは、体の横で縄を回すこと。そこから体の前に持ってきて跳ぶのが「側振とび」です。サイドスイング単体で見ると、縄を跳んでません。「技」かというと、あやふやな存在です。ほぼ多回旋技の一部として回るので、「構成要素」といったほうがしっくりくるかもしれません。
それでも、技名にはちゃんと含まれていて、たとえば[ サイドスイング → 2重とび ]だと、技名としては[ SOO ]です。なわとびの世界では「3重系」、つまり3重とびの技として扱われます。サイドスイングも1重(?)としてカウントされてるわけですね。
競技ルール的には、ただ体の横で回してるだけではダメで、たとえサイドスイングでも、地面を打つときには跳んでないと不成立(あるいは低評価)です。もし同じように体の前に回したとき、跳んでなければ引っかかっているからだと思います。
今回 ―― というか今日(4月1日)はここが1つのポイントで、サイドスイングだってちゃんと「跳べ」なければ、中途半端な回旋なのです。
連続3重あやを練習してると、
―― Sがあれば引っかからなかった。
と思うことがあります(Sはサイドスイングのこと)。3重とびは、跳ぶときの腕の形がO(オープン)とC(クロス)の組み合わせだと、2種類の3乗で8種類になります。これをすべて跳べれば「8連」です。
三重とび・三重はやぶさ・交差三重とび。
— なわとびパフォーマーふっくん(藤沢祥太朗) (@fuji6112249) 2022年10月27日
前とびと交差を合わせて、基本の三重とびは8種類あります。
OOO.COO.OCO.OOC.CCO.COC.OCC.CCC
O→前とび、C→交差 pic.twitter.com/ctGHHxgHbL
この連続を、ここ1、2年、挑戦しつづけてます。今のところ6~7連が限界。だいたい4連くらいでミスります。ミスの傾向は、1つはやっぱり体のクセで縄がそれてしまうパターン。そして、もう1つが跳びはじめで当たるパターン。
前回書いた、「次のジャンプより先に縄が回ってきてしまう」失敗そっくりです。前回は着地で体勢が崩れた場面をテーマにしましたが、縄の速さをコントロールできていないという点では同じ。そんなわけで、
―― Sがあれば引っかからなかった。
が頭をよぎるのです。同じ3重あやでも、それぞれの3重あやの始まりをサイドスイングにした連続だと、[ SOOO → SCOO → …… ]と8連まで跳べることはあります。成功率は低いですけど。
1技ごとに、次のサイドスイングで縄が横によけていくので、純粋な3重あやなら引っかかっているかもしれない場面で、縄が止まることがないんですね。
―― それでいいのか?
よくはないでしょう …… と、ここで前半書いたカードが切られます。たとえサイドスイングであっても、体の前に回っていたら引っかかるようなタイミングではいけない。
これは、サイドスイングが技と技のあいまに体勢を立てなおす「逃げ」として使われるなら、きれいな跳びかた(回しかた)ではない、ということです。
僕はまさにその「逃げ」でサイドスイングを使いがちでした。だから、サイドスイング抜きの連続3重あやになると、逃げがきかないまま縄が回ってきてしまうので引っかかる。逃げを打ちやすいサイドスイングに慣れてしまったせいで、縄の速さをコントロールする技術が磨かれなかったのです。
回しているようで回せていない、うそのスイングになってしまったのですね。連続3重あやを繰り返すうちに、縄の緩急も気にかけられるようになってきたと思います。
内偵者やスパイのことを隠語で「エス」と呼ぶみたいです。スパイの頭文字から来てるのかな。Sを偽物(にせもの)にしないように、気をつけます。